いつものようにInstagramのストーリーズ広告を無心でスワイプして眺めていたら、なんか変なギアが流れてきた。
同時期にフォローしているハイカーたちも次々とSNSで購入報告をしていて、気付けばまんまとアルゴリズムとメーカーの策略にハマってポチってしまっていた。
それが今回紹介する、WHATNOT(ワットノット)の「WHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHT」です。
そもそもWHATNOTというブランド自体、僕は最初全く知らなかった。気になって調べてみたら、兵庫県の三木市でDIYツールや日用雑貨、無骨な収納アイテムなんかを展開しているショップらしく。

個人的に、こういうゴリゴリの山岳メーカーじゃない「雑貨的」なアプローチをしているブランドのアイテムが大好物なんですよね。
そんな日用品ブランドが、「山でもギリギリ使えそうなガジェット」を突如として放り込んできたことに、「隙間なギア好き」として興奮してしまったわけです。
前回のブログでも話しましたが、高価なアウトドア専用品を買うのもいいんですが、こういう「デカい会社が作ったわけでもない日用品から、山で使える価値をDIGる(発掘する)」という行為。これがどうしてもやめられません…
■目次
重さ34g。ULハイカーも許容できそうな WHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHT の絶妙な立ち位置

実物が届いてまず驚くのは、そのサイズ感。約4cm角という大きさは、もはやちょっとデカめの消しゴムです。そして重さはわずか34g。
「山にスピーカーなんて不要」「自然の音だけを聞いていればいい」というストイックなニキ達の意見も痛いほどわかるんですが、この極小サイズと重量なら「まあ34gだし、おもちゃとしてザックの隙間に入れておくか」とすんなり許せてしまう。
この絶妙な立ち位置を突いてきているのがニクいです。
価格も3,410円と、ちょっと良いランチや飲み代1回分で買える手頃さ。そのくせIP65の防塵防水仕様をちゃんと備えていて、充電端子も現代のスタンダードであるUSB Type-C。
この時点で「とりあえず一回山で試してみるか」と思わせる謎の説得力があります。
「スマホのスピーカーで良くない?」に対するリアルな回答

ここで多くの人が思う疑問。「ぶっちゃけ、テントの中で音楽を聴いてアンビエント寝するだけなら、最新のスマホのスピーカーで良くない?」
はい、まぁそれはおっしゃる通りなんですよね。純粋に音を鳴らすだけなら、十数万円するiPhoneの方がよっぽど良い音が出たりするんじゃない?と思います。

ただ、山にこのWHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHTを持っていく最大のメリットは、「サブライトを持っていく。そのついでにスピーカーも付いてくる」という感覚で使えること。
そして、「ザックに外付けして聴ける」という点に尽きます。
クリップとマグネットが生み出すマウントの拡張性

本体背面には、かなりしっかりホールドしてくれるフック付きのクリップと、マグネットが付いています。
行動中はザックのショルダーハーネスにパチっと挟んでおくことができる。
山では天気が変わりやすく、少し雨がパラついているような微妙な状況も多いです。
そんな時、大事なライフラインであり高価なスマホを外に出して音楽を聴くのはリスクがありますが、これならスマホはサコッシュや防水バッグに安全にしまったまま、Bluetoothで音楽を流すことができます。

テントの中に入れば、クリップを使って天井のループに引っかけることもできるし、マグネットのおかげで車中泊の時や家でのDIYなんかでも、鉄の部分にピタッと貼り付けて使える。家で冷蔵庫にパキッと貼って使う、みたいな感じも良い感じだったりします。この「どこにでもマウントできる」というギミックが、現場で想像以上に使い勝手が良かったです。
行動中はザックのショルダーハーネスにパチっと挟めるし、IP65の防塵防水性能のおかげで屋外でも割と何も考えずにタフに扱えます。
さらに地味に最高なのが、このサイズで「電池残量表示機能」を備えていること。こういう小型ガジェットって「今バッテリーどれくらい残ってんの?」が分からず山で不安になりがちですが、充電のタイミングがひと目でわかるのは精神衛生上かなりプラスに働きます。
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WHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHTの音質とライトの実力


ガジェットとしてのギミックは面白いとして、肝心のスピーカーとライトの性能はどうなのか。実際にフィールドに持ち出して使ってみた率直な感想です。
クマ避けにはならない…かなぁ?テン場でのアンビエント特化型スピーカー
スピーカーの音量については、公式も「大音量を目的とした製品ではございません」と注意書きしている通り、本当にパーソナル仕様です。
なので、個人的な感想ではあるのですが、歩きながらガンガン鳴らして「クマ避けの鈴代わりにする」みたいな使い方には向かないのかなぁと思いました。
沢沿いや風の強い稜線を歩いていたら、普通に自然の環境音にかき消されそうです。なので本当に帽子のつばにつけるなど、耳の近くにつけたらいいかなぁと思いました。
個人的にジャストフィットしたのは、テン場に着いてテントの中でゆっくり寝転がりながら使うとか、友達とご飯を食べながらうっすらBGMを流す、位の用途。
自分の半径数メートルだけで心地よく聞こえる音量なので、周りのテントの迷惑になりにくいのが、山では逆に使いやすいんですよね。
音質については、アンビエントや、激しくないエレクトロニカなんかがめちゃくちゃ相性良かったです。
低音がズンズン響くわけではないんですが、疲れた夜のテント空間でシャカシャカと耳障りになることもなく、良い感じにアンビエントな空間を作ってくれました。
ただ、人の声の帯域は少し苦手なのか、ポッドキャストは聞き取りづらい時がありました。レビューなんかで「音が割れる」という厳しい声も見かけましたが、「まぁ3,000円台の消しゴムサイズのおもちゃだし、こんなもんでもありがたい」というのが正直なところ。価格と用途を考えれば不満は全くありません。
意外な伏兵。メインを脅かす250ルーメンのサブライト機能


そして、スピーカー機能のオマケ程度に考えていた「ライト機能」なんですが……これが予想外というか…まぁまぁ良かったです。スピーカーに目が行きがちなのですが、こっちがメインになってくるかもなと。
最大250ルーメンのCOBライト(白色LED)を搭載していて、テント内のランタン代わりや、夜中にトイレに行く時の手元灯として使えるなという明るさを発揮してくれます。
僕は普段、メインのヘッデン(ヘッドライト)に加えて、テント内で使う用や予備としての小型サブライトを必ず持っていくんですが、ぶっちゃけそのいつものサブライトと比べてもあんまり遜色ないレベルでした。
「いつものサブライトの重量枠をWHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHTに置き換えれば、ついでにスピーカー機能も手に入る」(長いね)と考えたら、完全にアリだなと。
「一つのアイテムで複数の機能を持つ」荷物を増やさずに機能だけを拡張できるのは、ULなハイカーにとって定番のソリューションです。
【ツッコミどころ】初見殺しの複雑なボタン操作と絶妙にダサい起動音


もちろん、パーフェクトな道具というわけではありません。あえてツッコミを入れるなら…と言うところで書かせていただきますとという感じでお送りします。
一番不満というか戸惑ったのは、操作方法がちょっと複雑で「初見には難しい」こと。
この極小ボディに、スピーカー、ライト、ペアリング、音量調整などすべての機能を無理やり詰め込んでいるため、側面の「Aボタン」と「●ボタン」の長押しや同時押しを駆使して操作を使い分ける必要があります。
初見だと「あれ、ライト消すのどっちのボタンだっけ?」って絶対なるかとおもいます。
山の中でマニュアルがないと詰む可能性があるので、操作を体で覚えるまでは、説明書の写真をスマホに保存しておくことを強くおすすめします。
さらに、電源オンオフ時やペアリング時のアナウンス音声が「いかにも機械的な日本語」で、スタイリッシュさは皆無です。
「デンゲンガ、オフニナリマシタ」みたいな。 でも、そのダサさも含めて「憎めない中華系ガジェット感」があって、使っているうちになんか一周回って愛着が湧いてきてしまうんですよね。完璧じゃないからこそ可愛いというか。そこは許してやろうよ。
番外編:モノタロウに似た商品が…掘ったら意外な真実?が。


そして、こういう時「似た商品はないのか?」と探すことがあるのですが、ありました。モノタロウに。これってOEMなのかなー。それともパクリなのかな…こっちはさらに現場使用でオシャレ感は無し。完全にモノタロウカラーになっている感じです。
と思ったら親会社一緒で「株式会社イトー」さんが作っていて、その別ライン、別カラーつまり本物の別バージョンってことでいいみたいです。こういう流れ好きだなーあと「株式会社イトー」さんめちゃかっこいい。
まとめ:WHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHTは山行に遊び心を足す名機の可能性


スマホ1台で何でも事足りる今の時代に、あえて34gの謎ギアを山に持っていく意味。
WHATNOT CLIP SPEAKER with LIGHTは、ストイックになりがち、かつ機能一辺倒になりがちな登山の装備に、少しの遊び心と実用的な明かりを足してくれる絶妙なアイテムでした。
「機能的に絶対必要か?」と聞かれれば「無くても死なない」と答えますが、山での時間を少しだけ豊かにしてくれるのは間違いありません。
デカいアウトドアメーカーが作ったわけでもない日用品から、「価値をDIGる」という行為の楽しさを再認識させられたガジェット。騙されたと思って一つ持っておいて損はないので、見つけたらぜひポチってみてください。
【SPEC INFO】
- サイズ(約):W40 × D29.4 × H40 mm
- 重量(約):34g
- 材質:ABS+ステンレス
- 電池:リチウムポリマー電池 (500mAh)
- 接続距離:約10m (Bluetooth接続)
- 再生時間:約7時間
- 点灯時間:HI 約2時間 / LOW 約3時間30分
- 搭載LED:HI 250lm / LOW 70lm (白色 COB)
- 充電時間:1時間10分 (電池残量・充電器によって差異あり)
- 機能:電池残量表示 / 磁石付き / クリップ機能
- 防塵防水性能:IP65防塵防水
- 付属品:USB Type-C 充電ケーブル (MAX INPUT 5V/2A)
- その他:意匠登録 第1802793号
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